東京・江東区の東京ビッグサイトで日本最大級のおもちゃのイベントが開催中です。昨年度=2023年度の市場規模は初めて1兆円を超え過去最高を更新していて、少子化でも活況が続く背景を取材しました。
8月29日から始まったのは、年に1度のおもちゃの祭典「東京おもちゃショー」です。定番の商品はもちろんのこと、最新技術を駆使した商品など新旧さまざまなおもちゃが会場に並びました。
おなじみの立体パズル「ルービックキューブ」も進化しています。7月から発売が始まった最新のルービックキューブは大小さまざまな形のパネルを付け替えることができ、使用する人に合わせてパズルの難易度を自由に変えることができます。
日本玩具協会によりますと、15歳未満の人口が年々減少する中でもおもちゃの市場規模は拡大していて、昨年度は2001年の統計開始以降、初めて1兆円を超えました。その背景についてイベントを主催する日本玩具協会の藤井大祐・専門委員は「一番大きいのが今、おもちゃは子どものものだけではなくなっていて、いわゆる『キダルト層』=子どもの心を持った大人の層に人気になっている。それがまた市場規模を押し上げる要因になっている」と話します。この「キッズ」と「アダルト」を掛け合わせた造語「キダルト」の層を狙ったおもちゃも多数登場しています。着せ替え人形の定番「リカちゃん」は、シリーズ最多の8つの関節を備えて進化しています。きれいなポージングで写真を撮りたい大人のニーズにも応えるものとなっています。
さらに、キダルト層とともにおもちゃ市場を支えるのが「知育系おもちゃ」です。テレビとつなげてゲームをするおもちゃでは、さまざまな体験を通じて子どもの好きなことを発見できるというものも登場しています。遊ぶ子どもたちの動きや判断力などから、子どもの好きなことを分析します。
大人にまで対象を広げ、活況を続ける『おもちゃ市場』…。時代の変化は今後、おもちゃの進化にどう影響を与えていくのでしょうか。
<新紙幣発行で 定番ボードゲームも進化>
おなじみの定番ゲームも進化しています。10月に発売予定の最新作『人生ゲームFIRE(ファイヤー)』は投資などの利益だけで生活できる状態を示す「FIRE」がタイトルになっていて、投資の要素が強くなっています。また、このゲームで使う紙幣は今年の新紙幣発行に合わせて、人生ゲームの定番だった「ドル」の紙幣が「円」の紙幣に生まれ変わったということです。ちなみに、この紙幣に描かれた顔は全てタカラトミー社員の顔が使われているということで、世相と遊び心が詰まったゲームとなっています。
「東京おもちゃショー」は8月31日・9月1日の2日間、一般公開が行われます。