幼児向け雑誌の付録に「AEDのおもちゃ」 形も音声も本物そっくり 売り切れになる書店も

おもちゃ

付録に「AEDのおもちゃ」を採用した幼児向け雑誌の売れ行きが好調です。組み立てるのに約1時間かかるほど実物を充実に再現したAED。なぜ、AEDが付録になったのでしょうか。

「幼稚園」最新号

福岡市早良区にある「くまざわ書店」。小学館が発行する幼児向け雑誌「幼稚園」の最新号の売れ行きが好調だといいます。くまざわ書店 福岡西新店 生田将吾 店長「AEDが付録になっていてかなり売れ行きがよくて7割8割売れました。小さいころからこういう風に触れて頂くことで、いざという時に使えるのではないかと思います。」

医療機器メーカーとコラボ

最新号の付録は、医療機器メーカーの「日本光電」とコラボした、「おやこで!AEDたいけんセット」。実物とほぼ同じ大きさのおよそ25センチ。電流は流れず命を救うことはできませんが、レバーを引くと蓋が開くギミックや、スイッチなどのデザインは本物に合わせて忠実に再現されています。

「音声も本物をお借りした」

小学館「幼稚園」付録担当 今村祐太さん「本物のAEDの音声をお借りして、幼児でも聞いて出来るような編集をしてもらいました。」パットを青いシートから剥がして右胸と左脇腹に貼って下さい。直ちに胸骨圧迫を始めて下さい。小学館「幼稚園」付録担当 今村祐太さん「作るのにたぶん1時間以上はかかるかなと思っていて。ただ、その分のクオリティに僕らも妥協していないので、完成した後、きっとお子さん達も『パパすごい』『ママすごい』と、作った人をまず尊敬できる。」

見たことある子供も少ない

一部書店では売り切れが出るほど、大きな反響を呼んでるという今回の付録。ではなぜ、幼児向けの雑誌にAEDを選んだのでしょうか?小学館「幼稚園」付録担当 今村祐太さん「AEDを見たことある子も少ないし、かつ親も知っている人、知らない人が半々だなということで、お医者さんごっこの延長線ぐらいの感じで遊んでいただけると嬉しいなと思います。」

4.3% 低い使用率

AEDが一般の人でも使用できるようになって、今年で20年です。心臓が停止した人などに対して電気ショックを与える緊急用の医療機器で、国内での普及台数は推計67万台、世界でも有数の数となっています。ただ、消防庁によりますと、心停止した際のAED使用率は2022年で4.3%にとどまっています。

AEDであがる1か月後の生存率

救急車が到着するまでに行った対応によって、心停止で倒れた患者の生存率は大きく異なります。心肺蘇生を実施しなかった場合、1か月後の生存率は6.6%、心肺蘇生を実施したとしても12.8%にとどまります。一方、AEDを使用した場合は50.3%まで上がります。AEDの普及を進める日本AED財団によると、この20年間で少なくとも8000人以上の命がAEDによって、救われたということです。日本AED財団の石見拓専務理事は、「小さい子供の頃からAEDについて知ってもらうことが大事」と話しています。

「小学校の学習要領にも盛り込んで」要望

中学校と高校の学習指導要領にはAEDなどを用いた実技を伴う救命教育の実施が盛り込まれていますが、小学校の「学習指導要領」にはAEDについての記載がありません。日本AED財団は10日、小学校の次の学習要領にもAED学習を入れるよう文部科学省に要望しました。小学校から実技を伴う救命教育を受け、高校を卒業する際には、心肺蘇生に関する知識を習得して欲しいと話しています。これに対し、盛山文部科学大臣は、「内容を検討する」と話したということです。

詳細は NEWS DIG でも!↓
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rkb/1419451